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第六回 魔のように黒く…?


 こんにちは。あうくだの母です。薫風さわやかなよい季節になりましたね。あうくだの父の花粉症も峠を越えて(いまだに完治していないのはなぜでせう……)、あうくださんも幼稚園に慣れてきて、母は春眠昼日を覚えず?を爆進中です。


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イメージイラスト イメージイラスト  さて。今回は紅茶ではなくコーヒーの話をしたいと思います。
 私は基本的に紅茶の方が好きなのですが、あうくだの父(以下、父と記す)はコーヒー党です。休みの日などは一日3杯は飲んでいます。とくにどの豆がいいといったこだわりはないのですが、酸味が少なく香りのいい新しい豆を好んでいるようです。
 あうくださんが1歳のころ、私たちが飲んでいたコーヒーに興味を示し、しきりとほしがったことがありました。そのとき父が冗談でブラックコーヒーを飲ませたのですが、なんとあうくださんは、それをこくこくと飲んでしまったのです。これには私も驚きました。それ以来、われわれがコーヒーが飲むたびに「ほしいー」と催促するようになりました。
 さすがにブラックコーヒーでは胃に悪いし、刺激も強すぎると思い、牛乳を混ぜてカフェオーレにして飲ませています。母乳とレギュラーコーヒーを同時に飲んでいた赤ん坊はうちの子ぐらいでしょうね。(小児科の先生や保健婦さんに知られたら、怒られるだろうなー)
 そんなあうくださんですから、いまでもコーヒーは好きです。私の影響で紅茶も飲みますし、甘いココアも大好き。おやつの時間には、その日の気分に応じて「ミルクティーにして」とか、「コーヒーにする」とか注文しています。

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イメージイラスト イメージイラスト  話は思いっきり変わりますが、二年ほど前に事故で入院したとき、その病院の近くに落ち着いた雰囲気の喫茶店がありました。
 店の名は「てらだ珈琲店」。リハビリの帰りにはじめてその店を訪れたとき、私はカウンター席にすわったのですが、マスターがコーヒーを点てる流麗な様子にすっかりファンになってしまいました。それには茶道に通じる「珈琲道」とでもいうべきなめらかさがありました。
 私はコーヒーの中では、マンデリンという苦みの強い豆が好きなのですが、ここのマンデリンは香りが深く色も濃く、年代物のワインを味わうように、舌の上でころがすように味わいました。良いコーヒーには砂糖もクリームも入れないのが私の主義です。何度かこの珈琲店に通ううちに、マスターも私の好みを覚えてくれたらしく、コーヒーカップにスプーンもクリームもつけずに出してくれるようになりました。

 名前は珈琲店ですが、ここは紅茶もおすすめです。
 以前、ホビーコーナーの「アフタヌーンティの楽しみ方」でも紹介した大阪堂島の喫茶店「ムジカ」から紅茶を仕入れていて、アッサム、アールグレイ、ダージリン、ヌワラエリヤなど数種類の紅茶がポットで供されます。ムジカの銘入りのシンプルなポットはなかなか素敵。ゆっくりとティータイムを楽しめます。
 JR学研都市線、鴫野駅から徒歩3分。ご近所にお住まいの方はぜひ一度「てらだ珈琲店」へ、マスターが丹精こめていれてくれる最高のコーヒー&紅茶を味わいに出かけてみてください。

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イメージイラスト イメージイラスト  リハビリも終わり、早や一年。  先日、久しぶりに「てらだ珈琲店」を訪ねました。なんとマスターは私のことをおぼえていたらしく、「まだ通院しているんですか」と訊かれました。
「いいえ。今日はここのコーヒーが飲みたくて来たんです」と言うと、「それはどうも」とにこやかに答えてくれました。
 席に着いて、さっそくマンデリンを注文。ほどなく私の目の前に、ノリタケのカップにいれられた黒く濃いコーヒーが置かれました。そして、苦みの強いマンデリンをひとくち、またひとくちと含みながら、私はひとときの贅沢な気分を味わったのでした……。

 あうくださんが幼稚園に行くようになってから、午前中2時間ばかり自由に使える時間ができました。もちろん、そのあいだに家事をすませてしまうのがベストなのですが、ついつい本を読んだりビデオを観たり、前述のようにひとりで喫茶店に行ったりしてしまいます。
 こんなことだから、いつまでたっても家の中が片づかないんですよねー。
 「やりたいこと」より「やるべきこと」を優先させなくては、ね。わかっちやいるけど・・・というところでしょうか。
 皆様は、時間のやりくり、どうなさっていますか?
 では、またお会いしましょう。   (つづく)


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1999年5月号

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