ホビ−ライフタイトル

スタジオ写真の楽しみ方


趣味の写真1

 写真を撮るのが好きな人にとって、スタジオ写真は興味ある分野だと思う。今回はコマ−シャルフォトではなく、街の商業写真館で「カタもの」と呼ばれる分野について取り上げた。ご自身、ご家族の宮参りや七五三、成人式、婚礼などで写真スタジオへ行った経験がある方も多いと思う。物々しい大型のライトや器材に囲まれ、緊張した面持ちでカメラに向かわれた経験はないだろうか。だが、そんな専門的な写真も基本さえ押さえていれば、もっと簡素な器材でも撮れてしまうのである。


趣味の写真2

仮設マイスタジオを作ってしまおう

 「いきなり無謀な事を書くな!」と怒る方もいるかも知れない。でもすでにカメラと外付けのストロボを持っている方なら、中級一眼レフカメラ1台分の予算で人一人撮影するぐらいの仮設スタジオが出来てしまうのだ。このペ−ジの終わりに「ホ−ムスタジオの必要器材」のペ−ジへのリンクがあるので参照してほしい。


趣味の写真3

スタジオレイアウト

 スタジオは人物(被写体)を写すステ−ジとカメラ、照明で構成される。照明はストロボ(フラッシュ)光を写真用バウンスアンブレラ(反射傘)などで拡散させて使用すると、やわらかな光に包まれた木目の細かい写真を撮ることができる。ストロボ(フラッシュ)光を直接当てると人物の後ろにくっきりと影が出でしまい、不自然な写真になってしまう。図では3灯の照明を記してあるが、フロントライトとトップライトを兼用することで、2灯でもきれいな写真を撮影できる。各ストロボはカメラとコ−ドでつなぐかスレ−ブユニットを取り付けて、同時に発光するようにしておく。設営が済んだらカメラマンが被写体の位置に立ってみて、照明がちゃんと自分のほうに当たるか確認しておこう。


趣味の写真4

いよいよ撮影

 モデルさん(被写体)の準備ができたらステ−ジの撮影位置に立ってもらう。全身を撮る場合、カメラは通常人物の胸の高さで正面から縦位置に構える。また、プリントされる画像ははフイルムに記録される画像よりひとまわり狭くなるので頭上、足元に少し余裕を持って構図を決める。ファインダ−をのぞいて画面に傾きや歪みが無いか入念にチェックしよう。次はストロボを試し発光させ、単体の露出計で明るさを計る。人物の顔、胸、足元の3箇所で測定し、明るさにバラつきがある時は照明の位置や角度を調整する。カメラや露出計の使い方は各説明書を参照して欲しいが、シャッタ−スピ−ドは1/60秒、絞りは11ぐらいが目安だ。モデルさんにいろいろなポ−ズをとってもらい、シャッタ−を切ろう。



趣味の写真5

現像は街の写真屋さんでもOK

 自分で現像できる人以外、撮影済のフィルムは現像に出す。街の写真屋さんやプリントショップで同時プリントしてもかまわない。フィルム現像や同時プリントの品質はどの店でも大差ない。じつは差が出るのは大伸ばしプリントの品質なのだが、街の写真屋さんやプリントショップでは専門の大型現像所に外注するのが普通なのだ。専門の大型現像所は大きな都市でも数ヶ所しかないため、結局品質も均質化されてきている。


趣味の写真6

仕上げも写真館らしく

 現像あがりのネガフィルムやプリントを見て、気に入ったものがあれば、ぜひ大伸ばしにして写真台紙や額に仕上げたい。写真屋さんで「手焼き」または「プロ仕上げ」と指定してプリントに出そう。写真館では8切り、6切り、4切りといったサイズが一般的で、それに合った写真台紙や額も販売されている。写真台紙へのはり方はまず、縁を持ち上げてプリントをはさみ、セロハンテ−プなどで歪みのないように仮止めし、後は両面テ−プで縁を固定するだけ、思いのほか簡単にできる。
 以上がスタジオ写真の一連の流れだが、実際に撮影してみると後で「こうした方が良かったのに」という反省や失敗はでてくるものだ。でもモデルがプロのモデルでない限り、リラックスして良い表情をみせてくれるところがホ−ムスタジオの大きな強みだ。写真好きの方はぜひチャレンジしてほしい。 


もっと詳しく知りたい方へ

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ホ−ムスタジオの必要器材


97年1月号


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