前にもどる
表紙にもどる
次に進む
第四回 アンティックドールの苦笑
こんにちは。あうくだの母です。前回、ロイヤルミルクティーの話なぞしておりましたら、「インドのチャイとどこが違うの」というご質問がありまして、不勉強な私はコダック(『ポケットモンスター』に出てくる、いつも頭痛に悩まされているポケモン)のように頭を抱えてしまいました。
あわてて手元にある紅茶関連の本を調べてみましたが、いまひとつ判然としません。茶葉を牛乳で煮出して作るという点はまったく同じで、しいて言えばチャイにはシナモンやカルダモン、グローブなどの香辛料を入れるところが違うのでしょうか。
ロンドン・ティールームのロイヤルミルクティーと、カンテG(大阪ではチャイハウスとして知られている)のチャイとをくらべてみましたが、私にはわかりません。どなたか正しい答えを教えてください。
さて。三月です。
国内でも北と南とではかなり気候の差がありますが、全国的に「春」到来です。冬のあいだは家に閉じ込もりがちだった私も、冬眠から覚めたように出歩くことが多くなりました。……といっても、徒歩でも行けるぐらいの近場がほとんどですが。
先日、久しぶりに近所の喫茶店「カフェ・アンティックドール」へ出かけました。
この店は以前ホビーコーナーの「アフタヌーンティーの楽しみ方」や、特集のコーナーでも紹介したことがあります。『大瀧新聞』を定期購読してくださっているかたはご存じと思いますが、私はこの店の大ファン。
ここの紅茶はポットサービスでたっぷり2杯ありまして、銘柄を指定しないで注文すると、セイロン産のヌワラエリヤが出てきます。
セイロン茶は総じてくせがなく、やわらかな口あたりの紅茶です。とくにこのヌワラエリヤやディンブラはさっぱりとしていて、砂糖をいれなくてもストレートティーで楽しめます。一杯目はストレートで、二杯目はミルクを入れて飲むと、ひとつの紅茶で二度おいしい。ちょっと得した気分になります。
私が注文するのはたいてい紅茶とスコーン。このスコーンが、じつにすばらしい。拳ほどのビッグサイズで、卵とバターがたっぷり入っていて、かたすぎなくてあたたかくて、もう最高!!
あうくださんもこのスコーンが大好きで、一個ぺろりと食べてしまいます。ときどき、あうくださんの方から「お人形さんのお店に行ってスコーン食べよう」と言ってくれるので、これ幸いと喜んで出かけるのです。
「お人形さんのお店」というのは「カフェ・アンティックドール」にはその名の通り、アンティックの人形が飾られているから。あうくださんはそのお人形がいたくお気に入りで、行くたびにしげしげとながめています。「お人形さんみたいなひらひらブラウスがほしい」と言うので、同じような白いレースのブラウスを買ったところ、さっそくそれを着てお店に行き、人形と自分をくらべてご満悦の様子でした。
つらつら考えてみますと、このお店にはずいぶんご迷惑をおかけしております。
あうくださんが2歳のときからつれていっているのですが、当初は、水はこぼすわコップは割るわ靴を脱いで店内を走り回るわ……とにかく落ち着いてすわっている暇もなかったほどでした。それでも嫌な顔ひとつせず、「またどうぞ」と言ってくれた店長さんやママさんに感謝感謝。あうくださんも、今ではなんとかお行儀よく食べられるようになり、私もゆっくりお茶を味わうことができます。
近所にお気に入りの喫茶店があるというのは、とてもラッキー。
ぶっちゃけた話、紅茶を飲むだけなら自宅でだって飲めます。しかし、「喫茶店」という日常の生活空間とは違う場所で飲む一杯の紅茶は、心身のリフレッシュに最適だと思いませんか?
もっともそれは、「お気に入りの喫茶店」に限定されますけど、ね。
なーんちゃって。
連載4回目ともなると、それっぽく書こうなんていう欲が出てきていやですね。
これからどうなるのかわかりませんが、どうか長い目で見守ってやってください。
ではまたお目にかかりましょう。 (つづく)
| カフェ・アンティックド−ル大阪市城東区中央1-10-34 スト−ク中央1階 TEL06-6933-8372 交通 市営地下鉄長堀鶴見緑地線蒲生4丁目駅より徒歩3分 京阪電鉄京阪線野江駅より徒歩10分 営業時間 8:00〜18:00 定休日 土曜日 5月3〜5日、12月30日〜1月4日 駐車場 無し
|
1999年3月号