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第八回 カモミールで安眠を


 こんにちは。あうくだの母です。
ごぶさたしてしまってごめんなさい。夏から冬にワープしてしまいましたね。
恐怖の大王こそ降ってきませんでしたが、1999年は世界各地で大水害や地震などの災害が起こり、今年の文字「末」もさもありなんという感じでした。
浸水などの被害に遭われた方もおられることでしょう。お見舞い申し上げます。


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イメージイラスト イメージイラスト  さて。今回はハーブティーの話を少し。
 このところのガーデニングブームで、ハーブもぐんと身近なものになりました。ひと昔前ならミントやバジルという名前さえ知らない人が多かったのに、最近はスーパーの香辛料コーナーにはずらりとドライハーブが並んでいます。また、紅茶とともにハーブティーも一部の愛好者だけではなく、健康志向の人々や流行に敏感な若い人に広く受け入れられるようになったと思います。
 私はどちらかというと流行にうとい方ですが、ハーブティーの存在には以前から注目していました。学生時代に友人とともに偶然入った喫茶店に、メニューの中に10種類以上のハーブティーがあるお店がありました。残念ながら店の名前は失念してしまったのですが、メニューのひとつひとつにそのお茶の効用やどんな香りかなどが説明してあって、とても親切な印象を受けました。
 そのとき私がいただいたのが、カモミールティーでした。カモミールはカミツレともいって、黄色い花をつける菊科の植物です。ピーターラビットがおなかをこわしたとき、おかあさんうさぎに煎じてもらったというお茶。以前からどんなものなのか興味があったので、これはいい機会だと思って注文しました。
 のどの奥に残る苦みと、つんとする香り。「うーん、こりゃやっぱり、薬って感じかなあ」と私。ミントティーを飲んでいた友人は「歯磨き粉を溶かしたみたい」。せっかくのハーブティーが、われわれにかかっては台無しです。
 このときは、「まあ、話のタネにはなったわね」という感じでしたが、後日、とある小説の中で「カミツレ茶には安眠効果がある」と書いてあるのを読んで、当時、眠りが浅くて慢性的な寝不足だった私は就寝前にカモミールティーを飲んでみることにしたのです。

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 「飲んでみる」とはいっても、そのころのハーブティーは今のようにポピュラーではありません。百貨店の輸入食品売り場でやっと探し出したカモミールティーは、南米アルゼンチン産のものでした。
 しばらくたって、英国ウェッジウッド社のピーターラビットのパッケージに入ったカモミールティーのティーバッグも入手しました。価格はアルゼンチン産のものの2倍もしましたが、ティーバッグという手軽さとピーターラビットのイラストに魅かれて、その後はもっぱら、ウェッジウッド社のものを買いました。
 いまから思えば、ぜいたくな話です。ハーブティーを買うためだけに、電車を乗り継いで約1時間もかけて出かけていたわけですから。

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イメージイラスト イメージイラスト   幸い今は、近くのスーパーでもいろいろなハーブティーを売っています。最近ヒットだったのは、4種類のハーブティーのティーバッグがひと袋ずつはいっている、いわば「お試し」仕様のもの。記憶があやふやで申し訳ないのですが、たしかカモミール、ローズヒップ、、ミント、オレンジピールの4種類だったと思います。
 前述のとおり、ハーブティーは個性が強いため、人によって好き嫌いがはっきりわかれます。10袋も20袋も入っているものを買って、気に入らなければどうしようもない。その点、ひと袋ずつ入っているものなら、次は気に入ったものだけを買えばいいわけです。最初は薬くさいと思っていたカモミールですが、はちみつとレモンを加えるとぐんとおいしくなることを発見してから、我が家の定番になりました。
 カモミールには胃腸の調子を整えたり、からだをあたためたり、安眠効果があります。慢性胃炎で冷え性で眠りの浅い私にぴったり!  これで体質改善できないものかと、ひそかに期待しています。
 最近、ダイエットを始めた私。カモミールティーにもはちみつや砂糖を入れずに飲んでいます。コーヒー・紅茶類はノーシュガーがダイエットの鉄則ですもの、ね。
「そんなことより、ビールをやめた方がいいんじゃないの」とはあうくだの父の言。
 それを言わないでほしいなあ。「乾杯!」という瞬間が楽しいんだから。
 次回までに、少しは減量できるかしら。
 では、またお会いしましょう。   (つづく)


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1999年12月号

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