嘘をついてもいい。
あしたになれば
だれもそんなこと
覚えちゃいないんだから。
あのひとはどうして
捨ててくれなかったんだろう。
どうせならなにもかも
捨ててくれればよかったのに。
思い出をぜんぶ
わたしに送り返すなんて
わたしにぜんぶ
背負わせるなんて。
どうせならなにもかも
捨ててくれればよかったのに。
いつかまた巡り会える。
それでも夢を追えるのか。
ふしぎな生き物たちよ。
幾度も道は交わって
迷路の中で時を閉じる。
流れ星ひとつ落ちる間に
消えてゆくいのち。
それでもあしたを信じられるのか。
しあわせな生き物たちよ。
きのう泣いたことさえも
忘れてしまえるのか。
くりかえしくりかえし
愚かな足跡をしるしてゆく。
くりかえしくりかえし
寄せては返す時に惑う。
どこにいたの。
笑わないで。
そばにいて。
いまだけでいい。
きのうまでの自分を
忘れたいから。
暗闇に閉ざされていた
心が目覚めたら
そこにはあなたがいた。
いつかきっと
別れを知るだろう。
でも。
そんなことは
あした考えて。
おくびょうにならないで。
あなたはこの世に
生まれてきたのだから。
あなたには
愛する権利がある。
あなたには
愛される権利がある。
