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鉄道旅行の楽しみ方1


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 ゴゴッ−ンゴゴッ−ン、一定のリズムで歌う線路。車輪がレ−ルを刻むごとに思い出が増えてゆく。モ−タリゼ−ション全盛の現代だが、鉄道は地域の足としてはもちろん、旅のプロセスを演出する手段としても重要なものだ。また、長距離を走る列車はその旅情と密室性からしばしばミステリ−小説の舞台として登場し、日本の鉄道ミステリ−の分野を確立したともいえる。(写真は北近畿タンゴ鉄道・由良川鉄橋)


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1冊の時刻表から旅が始まる

 自分の好きな時間に移動できる自動車と違って鉄道にはダイヤがあり、利用者はそれに合わせなければならない。ロ−カル線には1日の運転本数が10本しかない路線も珍しくない。それらを上手に乗り次いでゆくのはまさにパズルゲ−ム、さあ時刻表をめくって旅程を組もう。自分で調べるといやでも知識が豊富になるし、思い出もより深くなる。きっと、まだ見ぬ風景が心に見えてくる。


できるだけ身軽な装備で出発したい

 コ−スが決まったら次は旅行の準備だ。日程が2日以上ある場合は宿泊施設も予約しておこう。予算が許せば高級旅館・ホテルでもよいが、鉄道旅行で大切なのはともかく駅に近いということだ。また夜行列車を利用するのも時間を有効に使う方法の一つだ。それから写真やビデオ撮影が趣味の人はどうしても重装備になりがちだが、乗り換えなどのフットワ−クは軽いにこしたことはない。「もし必要なものが出てくれば旅先で買えば良い」ぐらいの気持ちで、できるだけ身軽に出かけたい。


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身近な駅から旅が始まる

 最寄りの駅へ行き切符を買おう。片道100km以上の乗車券は何度でも途中下車ができるし、かえって安上がりなので出発地からいちばん遠い駅までの切符を購入しよう。旅行会社では乗車券・特急券と宿泊券がセットになったク−ポン券を発売しているし、場合によっては周遊券や青春18きっぷなどの割引切符も便利だ。旅に出ようと列車に乗る。その瞬間人は日常生活から離脱して旅人となる。(写真左:福知山駅 右:京都駅)


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旅は自分が主人公!思い出に残るドラマを創ろう

 さあ旅にでたあなたはオ−ダ−メイドのドラマの主人公だ。席に着いたらビ−ル片手にぼんやりと車窓を眺めるも良し、お気に入りの小説を読むも良し、お好みのシチュエ−ションを楽しんでほしい。
 列車に乗っているとたいした運動もしていないのによくお腹が空くものである。今では少なくなったが車内販売や食堂車も、できるだけ利用したい。乗り換え駅での名物駅弁や立ち食いそばも楽しみの一つだ。時間があれば途中下車して駅のまわりを散策してみると、その土地の人達の生活ぶりがうかがえるかも知れない。
 また駅によっては構内に展示室や温泉などの楽しい施設をもつところがある。事前に確認しておきたい。(写真は北近畿タンゴ鉄道・丹後大宮付近)


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路面電車だって立派な鉄道だ

 なにも長距離列車だけが鉄道ではない。各地で活躍している路面電車やロ−カル私鉄、モノレ−ルやケ−ブルカ−だって立派な鉄道だ。その地域のいい味がにじみ出してくる路線も少なくない。写真は富山県の高岡駅前と新湊市越ノ潟間を結ぶ加越能鉄道だ。大きな広告をつけた路面電車が街中や工場地帯をのんびり走っている。


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入場券や領収書も大切な旅の記念品

 この写真は昭和51年に北海道へ旅行した時のものだ。釧路駅の入場券はなんと30円。また、当時の特急おおぞらには食堂車があり何を食べたかは忘れたが領収書が残っていた。


鉄道旅行の楽しみ方PART2

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金沢−輪島ミニ旅行記


97年4月号
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